安芸高田市からはじまったプロジェクトが、広島城を舞台にした挑戦へ。

「すべて、鹿がつないでくれた」――鹿との出会いから始まった、広島と世界をつなぐプロジェクト。おいしんぐ! プロデューサー 金沢大基 <Vol.3>

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「すべて、鹿がつないでくれた」――鹿との出会いから始まった、広島と世界をつなぐプロジェクト。おいしんぐ! プロデューサー 金沢大基 <Vol.3>

おいしんぐ!編集部

「鹿には可能性がある!」「鹿がおもしろい!」と動き出し、2019年からブランド化。東京と広島との2拠点生活をはじめ、24年には家族で移住を決意。移住と同時に新たな株式会社「cica(シカ)」を立ち上げた。

インタビューVol.2はこちら↓


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広島城を舞台に、新たに始まる挑戦。

――(インタビューVol.2の続き)それでいま、2027年に広島城を舞台にしたプロジェクトを進めているのですね。

はい。2027年4月中旬、広島市の中心地にある「広島城三の丸」に、食体験・観光ハブ・ローカルエクスペリエンスを一体で提供する複合施設『We’re the Mori’s HIROSHIMA(ウィアー・ザ・モーリーズ・ヒロシマ)』を始動します。

※プレスリリース(2026年4月16日)

――どんな施設なんですか?

海外旅行者を含む、年間69万人の来城がある広島城なんですが(※2025年広島城天守入館者数は約695,000人)、その旅行者をメインのターゲットとしています。カフェでは、僕たちがセレクトし磨き上げた広島の食材を使って軽食やドリンクなどを提供します。鹿に関連する料理、山の食材を使ったスイーツなどを出したいなと。また、広島を代表する食品メーカーや料理人との開発、それぞれの食材にまつわる背景のストーリーや、山、川、畑、海で活躍している生産者の紹介なども発信していきたいと思います。


店舗デザインイメージ おいしんぐ!編集部

――おいしいものが集まりそうですね。

次に、観光への導線ですね。カフェで「広島ならではの食体験」をしてもらった旅行者たちに、「広島ならではの観光体験」をご案内する場です。ここではゲストリレーションズというスタッフが常駐し、旅行客から相談を受けたり、おすすめの過ごし方を提案したりすることができるよう計画しています。ただの「観光情報」ではなく、「あなたがいま食べた◎◎に入っている食材はこんな地域で作られていて、いまからそこへ行けば夕日がきれいだよ」とか、「今日1日過ごすならフェリーで◎◎へ行けるよ」など、具体的な「体験」を紹介できるようにしたいんです。

――それは旅行者にとって嬉しいですね。

最後にローカルエクスペリエンスです。広島に点在する酒蔵の日本酒を集めて利き酒やワインの試飲をしたりと、「広島の食」を体験していただくと同時に、「広島の歴史や伝統、ものづくりを知る場」として主にインバウンドのお客様に向け様々なワークショップを開催予定です。例えば熊野筆を用いた書道体験や、おおたけ手すき和紙のうちわ作り、オリジナルお守り作りなど。ワークショップで作ったものはお土産として持ち帰っていただき、少しずつでも世界に広めていけたらと考えています。

 

地域の垣根を越えた「毛利家」のように。

おいしんぐ!編集部

――施設名の「We’re the Mori’s」とはなんでしょうか?

Mori’s は、戦国武将でおなじみ、毛利家からきているんです。いまの安芸高田市の吉田郡山城を拠点に、戦国時代の1520年から本格的に整備を進め、中国地方の覇権を築いたのが毛利元就。その孫、毛利輝元はさらなる発展を目指し、安土桃山時代の1589年に太田川デルタ地帯に広島城の築城を開始。10年後に完成した広島城は、山・川・海を結ぶ交通の要衝に位置し、新たな政治・経済の中心地として整備されました。広島という地名は毛利輝元が付けたことでも知られています。


吉田郡山城 毛利元就公像 おいしんぐ!編集部
広島城 おいしんぐ!編集部

――毛利家が、広島のまちづくりをしていたんですね。

江戸時代に入り、広島城の完成後に城主となった福島正則が城下町の整備を進めました。その基盤を浅野長晟が引き継ぐかたちで、町はさらに発展していきます。広島城の周囲には、全国から人・物・技が集まり、食・工芸・芸能・職人文化が花開きました。広島って、城下町として育まれた多彩な文化をもっているんですよね。

――歴史的に見てもおもしろさがありますね。

『We’re the Mori’s HIROSHIMA』はブランド名であると同時に、地域の垣根を越えた共栄・共生を目指す合言葉でもあります。今後もこの場所からさまざまなイベントを仕掛けていきます。広島の魅力を更新し続けるプラットフォームでありたいなと。ちなみに、Mori’sには「毛利」だけじゃなく「森」という意味もかかっています。鹿の棲む豊かな森、四季を感じる森、生命を育む森と共に僕らもあり続けたいと考えています。


おいしんぐ!編集部
おいしんぐ!編集部

――「We’re(We are=私たち)」の部分にも、なにか意味が込められていますか?

広島にはそれぞれに素晴らしいコミュニティーがある。移住を経て、その実感がより増しています。横のつながりをもっと作っていきたいんです。みんなで手をとりあって、お客さんを楽しませていこうよ! 「We’re」の精神でいこうよ! っていう思いも込めています。そして、この思いに共感してくれる一人ひとりには、ぜひ「I am」として参加してほしいんです。この合言葉のもとに、これから仲間を増やし、輪を広げていきたいですし、そんな仲間とこの場で挑戦していきたいです。


おいしんぐ!編集部
おいしんぐ!編集部

――それにしても、鹿との出会いから、壮大なプロジェクトに発展しましたね。

すべて、鹿がつないでくれました。鹿のおいしさを証明してくれた料理人のみなさん。僕らの活動を応援し期待をしてくれる地域のみなさん。そして、いま『We’re the Mori’s HIROSHIMA』を一緒に設計しているクリエイターのみなさん。本当に周りの人たちの理解と協力があってこそ、ここまで進んでこられました。株式会社cicaのロゴマークでは、鹿の角と海・川、畑・土、緑・木などの自然を表しているのですが、ここには「すべてを鹿がつないでいて、この先もどんどん広がっていく」そんな僕らの思いが込められています。

おいしんぐ!編集部

※Vol.1では前編、vol.2では中編のインタビューを掲載していますので併せてお読みください。


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