拉麺放浪記~365日ラーメン日和~ Vol.1

小金井の「くじら食堂」。異彩を放つその麺に注目してみる

この逸品
東京都
吉祥寺・三鷹
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JR中央線
ラーメン
東京グルメ
東京ラーメン
東小金井駅
醤油ラーメン
小金井の「くじら食堂」。異彩を放つその麺に注目してみる

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ラーメンを目的にして食べ歩きをするようになってから20数年。毎日のようにラーメンを食べ歩き、1年間に食する杯数が日数を遥かに超えるようになってもう5年以上になる…。その間に食べ歩きの傾向も色々と変化してきた。ある時は新店を中心に回り、ある時は地方遠征が多かったり、またある時はラーメン二郎の全店制覇を目指していたり、その時々で様々だ。そして最近は馴染みの店をリピートする事が多くなってきている。


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特に湯河原にある「飯田商店」には毎週のように通い、1日に朝と夕方の2回訪問して計3〜4杯食べる事もしばしば。毎週食べていても、麺が変わったりスープが変わったりと日々進化しているので、今日はどんな変化があるだろう?と思うと矢も盾もたまらず、気がつくと湯河原に向かっている。

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なぜそんなにラーメンばかり食べるのか?

その答えは、もちろん美味しいラーメンが沢山あるからなのだが、ラーメンはバリエーションが豊かで飽きることがない。日々新しいお店がオープンしたり、新しいメニューが提供されたりして、食べたいラーメンが尽きないのだ。ではそんな星の数ほどあるラーメンの中で、どうやってその日に食べるラーメンを選んでいるのだろうか?

何気なく店とメニューを選択している事もあるが、そんな時でも改めて考えてみると、ちゃんと理由が存在する。店主の顔が見たくなったから、新しい店で気になったから、といった味以外の要因ももちろんある。しかし、何度もリピートして食べに行く店には、店主のこだわりや想いが詰まったその味を求めて行くのである。素材が吟味され、調理法が工夫され、全体のバランスが整えられているのは大前提として、その上で何か一つ突出した特徴がある事が、今日そのラーメンを食べたいと思う理由になる事が多い。

それでは、これからその店に行きたくなる理由、そのラーメンを食べたくなる理由を考えながら食べ歩いているお店を紹介しよう。

「くじら食堂」の麺へのこだわり

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「くじら食堂」は、5年前にJR中央線東小金井駅北口から徒歩2分弱の所にオープンし、瞬く間に人気店の仲間入りを果たし、その年の新人賞にも輝いたお店だ。それに甘んずることなく、常に麺やスープに改良を加えて日々進化しており、「食堂」の名に相応しい毎日でも食べられるシンプルで美味しいラーメンを提供し続けている。基本の『醤油ラーメン』は、鶏と魚介のダブルスープに醤油ダレを合わせたオーソドックスなスタイルだが、そこに合わさる「麺」が異彩を放っている。

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中太の麺を茹でる直前に手揉みし、手のひらで念入りに潰してまた手揉みする。そうやって1杯分ずつ丁寧に仕上げた風味豊かな自家製麺は、コシが強くモチモチで、不均一な厚さのピロピロの縮れがスープを良く持ち上げ、啜った時の口触りと咀嚼する時の舌触りが官能的である。

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麺は普通150g、大盛200g、特盛250gから選ぶ事が出来るので、お腹を空かせて行って、特盛にしてこの麺を堪能したいところ。なお、この麺を使った限定メニューを出す事も多く、中でも夏季限定の『冷やし中華』が秀逸である。

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キュウリ、トマト、メンマ、刻みネギ、鶏チャーシューといった具材が載り、酸味のあるタレがかけられており、これまたオーソドックスな冷やし中華のスタイルを踏襲している。そして、やはり麺の存在感が凄い。中華そばと同じ麺を同じ様に丁寧に手揉みしてから茹でた後に冷水でしっかり締めているため、ラーメンよりもプリプリで歯応えがしっかりとしている。

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筆者は冷やし中華の場合、具を先に全部食べてしまってから麺だけをじっくり味わう派なのだが、こちらのは我慢できずにとにかく麺から食べてしまう。具材と一緒に食べても麺が全然負けないので、麺と具材を一気につかんで豪快に食べてしまう事が多い。ここまで麺が主役の冷やし中華は、他ではなかなかみられない。

人気店のため行列必至だが、9月21日(予定)には東小金井の駅ビル内への移転が予定されており、席数も増えるため今までよりも食べに行きやすくなるはずだ。なお移転や限定メニュー等については、お店の公式Twitterをチェックしてほしい。

ラーメンのメインは、やはり「麺」。

そこがしっかり押さえられているので、思い出すと無性に食べたくなり、遠くからでも食べに行かずにはいられなくなる。今日も、ご馳走様でした。

※以下のお店情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

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