いつものごちそう。町中華で「瓶ビール下さい!」

学芸大学の町中華「味味」が名店と言われる理由

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学芸大学の町中華「味味」が名店と言われる理由

「ただいま~。瓶ビール下さいっ!」

たとえば、ふらっと実家に立ち寄るみたいに、気軽に入れる“行きつけの中華店”が、あなたの街にはあるだろうか。忙しい1日の終わりに、ふとあの店主の顔が見たくなって、あのひと皿が無性に食べたくなって……気がつけば足が向いてしまっている、そんな店が。

おいしんぐ!編集部

そういう店で飲むのは、生ビールよりも瓶ビールがいい。自分のペースで好きなだけグラスに注ぎながら、ただただ、うまい料理を味わいたい。気が置けない仲間と分け合って飲むのも、また嬉しさが増す。

この特集では、迷わず瓶ビールを頼みたくなる「町中華」を紹介する。単に大衆的な中華店ではない。町の人たちに愛されているのはもちろん、料理のレベルが高く、隣町からでも通いたくなる隠れた名店だ。一度訪れれば「また来ます!」と言わずにはいられない、魅惑の町中華へご案内しよう。

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食べるべき逸品が並ぶ、知る人ぞ知る名店

おいしんぐ!編集部

東急東横線の学芸大学駅から徒歩約3分。1階、2階合わせてわずか18席の小さな店。以前は南京に27年住んでいたご主人の小林龍太さんが、中国、台湾、日本、アメリカをはじめ各地で食べ歩きながら中国料理を勉強し、22年前にこの地で開店した。壁一面に貼られたメニューには、中国各地の料理を中心に、和の食材を使った創作料理などが並ぶ。

おいしんぐ!編集部

カウンター越しの小さな調理スペースからは、驚くほど多彩で、手のこんだ料理の数々が飛び出す。麻婆豆腐やニラそばなどでも有名な店だが、編集部が推したいのは、ちょっと違う。瓶ビールと一緒にじっくりと味わってもらいたい、この3品だ。

22年以上研究を続ける味味の名物「水餃子」

北京水餃子:550円 おいしんぐ!編集部

細かく刻んだネギと白菜を加え、ギュッと旨味を凝縮させた餡を、少し厚めの皮でしっかり包んでいる。口に入れるまで、肉と皮が一体化しているのが「味味」の餃子の特徴。「ひと口目は何もつけずに。ふた口目からは黒酢をつける」がツウの食べ方。「22年間、改良しながら作っているから、味がどんどんおいしくなっているんだよ」と小林さん。

おいしんぐ!編集部

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ふわっふわでまーるいエビあげの秘密

大和芋とエビあげ:1,900円 おいしんぐ!編集部

中国料理には存在しないこのメニューは、「うまいものを生み出したい」という小林さんの創作料理の極み。弾力のあるエビを、丁寧におろした大和芋で優しく包み、団子状にして揚げたもので、大葉でくるんでさっぱりといただける。150度の油で揚げながら、ハサミを使ってきれいに形を整える仕上げ方は、もはや町中華のレベルを超えている。


おいしんぐ!編集部

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シャキシャキな金ニラと豆腐乾肉絲は食感も楽しむべし!

金ニラと肉炒め:1,650円 おいしんぐ!編集部

栃木や岡山で採れる金ニラと豚肉の千切り、豆腐乾肉絲を炒めた、こちらも瓶ビールに合う一品。金ニラは、通常のニラと比べて臭みがなく、甘みややわらかさがあるのが特徴。ちなみに「味味」の料理はどれも、中華料理によくある脂っこさや重さをさほど感じない。すっきりとした後味で、どんどん箸が進むのが不思議だ。味付けや調理に酔っ払いガニ(*)を漬けた秘伝のタレと、良質な油を使っているのも、その理由のひとつだろう。

*酔っぱらいガニ
ワタリガニを日本酒にじっくり浸してから焼いた料理。「味味」では毎年秋に漬け、11月頃にメニューに並ぶ。

おいしんぐ!編集部

おいしんぐ!編集部

 

取材中、目の前で次々と手際よく料理を完成させていく小林さんに、材料や調味料の選び方、調理方法などを聞きながら「ここまでこだわるのか」と唸らされっぱなしだった編集部。取材の最後に尋ねてみる。

小林さんにとって、「おいしい」とは―—?

「おいしいとは……『基本』じゃないでしょうか? だっておいしくなかったら、誰も食べに来ないから。だから、いつも『もっとおいしくできないか』って考えているんです。新しい店、珍しい店じゃなくて、やっぱりおいしい店が一番でしょう?」

おいしんぐ!編集部

※価格はすべて税抜き

※お店の情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

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