ジビエソーセージとレモンで “おもしろい”を届けたい。

広島発「ドットコミュ」の野望<後編> mon-to.9 野村俊介さん

インタビュー
広島県
広島市
WORD /
この料理を食べる為に訪れたい
レモンサワー
広島電鉄
料理人インタビュー
胡町駅
魚介料理
広島発「ドットコミュ」の野望<後編> mon-to.9 野村俊介さん

おいしんぐ!編集部

広島県広島市にある小さなソーセージスタンド「.comm(ドットコミュ)」。そして同じく、広島県産の生牡蠣とレモンサワーを楽しめる立ち飲みバー「mon-to.9(モントナイン)」。ここに「おいしい」の新しいかたちを模索し、発信している男たちがいる。

「ドットコミュ」の中山浩彰さんにソーセージ作りについて話を伺った前編に続き、後編では野村俊介さんに「モントナイン」が次に目指していることについて語っていただきました。


前編はこちら

レモンサワー×生牡蠣×広島の旅情報

おいしんぐ!編集部


おいしんぐ!編集部

おいしんぐ!編集部

——野村さんは昨年(2018年)、レモンサワーと生牡蠣のお店「mon-to.9(モントナイン)」も出店されていますよね。こちらのお店についても、くわしく聞かせてください。

野村:「ドットコミュ」を始めてから3年目の夏、花の仕事を辞めるタイミングで「モントナイン」を出しました。なぜかと言うと…そもそも自分自身が思っていたから。「広島って、生牡蠣とレモンが生産量日本一なのに、その2つが軸になったお店がないよね」って。仲がいいシェフともよく話していたんですが、広島産生牡蠣を食べられる僕が好きなお店はオイスターバーの店「トルヴェール」しかなくて。

——それで、お店を出そうと?

野村:はい。「トルヴェール」さんは広島産の牡蠣だけを出していて、これが本当においしい。だから僕も1週間に1回ぐらい通っていたんです。それが広島の牡蠣の第一人者的な存在でもある「かなわ水産」さんの牡蠣でした。広島県が指定する生食用海域でもほとんどウイルスに汚染されていない大黒神島海域で育った牡蠣を使用しています。それで、「お店を出すならここの牡蠣がいい!」と。

おいしんぐ!編集部

——いい素材、いい生産者さんとの出会いがあったんですね。

野村:知人にお願いして紹介していただき、見学にも行かせていただいて、ありがたいことにぼくも仕入れができるようになりました。あと、店作りに関してはできるだけシンプルにしたいという思いがありました。料理人ではない自分がレモンを使ってなにができるのか…そう考えると、レモンサワーかなと。レモンサワーって、ブームも落ち着いてもはやスタンダードになってきましたよね。で、これまた広島には、レモンサワーを売りにしているお店がなかったんです。

——つまり、チャンスだったわけですね。またお店では「ドットコミュ」のジビエソーセージの他に、ナチュラルワインも出されていますよね。

野村:そうですね。本音を言うと、ただ自分の好きなものを置いているだけなんですけど(笑)。あまのじゃくだから、人と違うことをしたいんですよね。だから店にも自分が好きな「広島のもの」も集めて、置いて。USHIO CHOCOLATEという尾道の向島で作っているチョコレートとか、広島で創業100年以上にもなる老舗「歴清社」の金箔を置いてみたり、自分たちでTシャツも作ったり…それもこれも全部、ただ自分が好きだから。

おいしんぐ!編集部

——まさに、野村さんのセレクトショップですね。

野村:そうです(笑)。広島のお土産屋でもあり、無料案内所だと思っているんです。いま、県外と海外のお客さんが7割なんですが「モントナインに行けば、次にどこへ遊びに行ったらいいか教えてもらえる」って思ってもらえていて。県外、海外の人たちが口コミで広めてくれているみたいなんです。

——おいしい牡蠣とレモンサワーもありますしね。

野村:たとえば、「このあたりでお好み焼きなら、どこ行ったらいい?」とか、「小イワシを食べたいんだけど」「日本酒飲みたいんだけど」…そういうリクエストに対して、ぼくらはピンポイントで答えられますから。「行ってみたら、本当におもしろかったです」ってみなさん言ってくれます。

 

「自分に飽きたら終わりだと思っています」

おいしんぐ!編集部

——いつも「人とは違うこと」をやってきた野村さんですが、この先の展開は?

野村:いま、2号店と3号店を同時に出そうと思っています。まだ資金調達中なんですけど、工事は始めています(笑)。

——さすがの行動力! すでに走り出しているのですね。どんなお店なんでしょう?

野村:1号店が「レモンサワーと生牡蠣」だったので、2号店は「レモンサワーとカレー」。ランチも出せるようにして、昼はカレー、夜はお酒も飲める店にしたいなと。カレー、自分が好きだから!

左:スタッフの柳田優介さん
おいしんぐ!編集部

——では3号店は…?

野村:「レモンサワーと『?』」にしようかなと。会員制にして、隠し扉を押したら会員限定の「金の茶室」があったりとか…それこそ、1杯5000円のレモンサワーとか出したりして…って、自分でもまだどうするか考え中です(笑)。

——すごい構想ですね。店名も考えているんですか?

野村:2号店は「LEMON STAND 広島」、3号店は「広島檸檬倶楽部」かなあ。とにかく、もっとレモンサワーをアップデートできないかなと思っているんです。お客さんが納得してくれるなら、1万円のレモンサワーっていうのも、あってもおもしろいじゃないですか。レモンサワーは1杯500円じゃないといけない、みたいな常識は常に疑っていきたい。あと、ゆくゆくはレモンも自分で作りたい。最終的には自分で農家もやってみたいですね。

——なんでも、ご自分でチャレンジされたいんですね。広島の外にも拡大していきたいですか?

野村:もちろん。「世界中で100店舗、いや1,000店舗」を目指してますから(笑)。まだイメージではあるけど、口に出すことで動き出せるから。

おいしんぐ!編集部


おいしんぐ!編集部

おいしんぐ!編集部

——世界で1,000店舗! 大きな夢ですね。

野村:そのためにもまず、広島でレモンといえばモントナインにならないとだめだなと思っています。感度が高い人だけが来る店じゃなくて、スタンダードになれたらいいですね。みんなに来てもらえる店に。「自分に飽きたら終わり」「おもしろくなくなったら終わり」って、いつも自分に言い聞かせながら、やっています。

——今後の展開にも期待しています。

では、最後に…。
野村さんにとって、 「おいしい」とは何でしょうか―—?

おいしんぐ!編集部

おいしいとは、すごく複雑なものだけど、複雑で片付けたくない自分がいて。たとえば狩猟に行って、腹を空かした寒空の山奥で、湯を沸かして食べるカップ麺は、最高においしくて笑顔になれます。おいしいとは、身体的・精神的・社会的に、人を笑顔にしてくれるものだと思います。

左:中山浩彰さん
おいしんぐ!編集部

※お店の情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

FEATURE

view more

INTERVIEW

view more

PICK UP

KEYWORD

view more

FOLLOW US