ジビエソーセージとレモンで “おもしろい”を届けたい。

広島発「ドットコミュ」の野望<前編> ソーセージクリエイター・中山浩彰さん

中国
インタビュー
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この料理を食べる為に訪れたい
ジビエ料理
ソーセージ
料理人インタビュー

おいしんぐ!編集部
広島県広島市にある小さなソーセージスタンド「.comm(ドットコミュ)」。そして同じく、広島県産の生牡蠣とレモンサワーを楽しめる立ち飲みバー「mon-to.9(モントナイン)」。ここに「おいしい」の新しいかたちを模索し、発信している男たちがいる。

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広島市生まれの野村俊介さんは、もともとプロの格闘家として活躍していたが、花を習っていた弟を見て興味を持ち、自身も花の教室に通い始めた。26歳でアレンジ専門の花屋「のむら家」を立ち上げ、「プロ格闘家が挿す花屋」として注目を集める。「昔からあまのじゃくで、人と同じじゃないことをしたいと常に思ってきた」と本人が語るとおりのユニークな経歴だ。

あるとき、知り合いに誘われて狩猟を体験した野村さん。獲物を探し、撃ち、解体し、食べる「狩猟というエンターテインメント」のおもしろさを知ったという。友人の中山浩彰さんを誘って狩猟を開始、その後2人はジビエ肉のおいしさや栄養にも注目し、「.comm(ドットコミュ)」を開店。現在はジビエソーセージを中心に製作・販売している。


おいしんぐ!編集部


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「やってみたいことはすぐやる性格なので」と花屋を辞め、現在は「ドットコミュ」に加えて新店舗「モントナイン」を立ち上げ、さらなる夢に向かって走り出している。

この春、クラウドファンディングによって「世界を熱狂させるソーセージを届けたいプロジェクト」を立ち上げ、目標額を大きく上回る支援を集めた「ドットコミュ」。果たして彼らは「ソーセージ」で何をしようとしているのか。また、この先に企んでいることとは…?

前半は「ドットコミュ」のソーセージクリエイター・中山浩彰さんにインタビュー。後半では、「モントナイン」の次なる野望について野村俊介さんに話を聞いた。

 

クラウドファンディングで、目標額184%を達成!


おいしんぐ!編集部

——「.comm(ドットコミュ)」さんのことを知ったのは、「世界を熱狂させるソーセージを届けたいプロジェクト」で、広島でおもしろいことをしている人たちがいるんだなと思ったことがきっかけでした。どんなプロジェクトだったのか教えていただけますか?

中山:ぼくはここで3年ほどジビエソーセージを作っているんですが、本当に「手作り」でして…自分で注文を受けて、作るので手一杯。だから、もっと多くの人に届けるために、ソーセージを作れる優秀なマシンがほしいと思ったのが始まりです。手作業だと4時間かかる仕事が、マシンなら2~3分で終わるんですよ(笑)。


おいしんぐ!編集部

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——4時間が、2~3分になるんですね。

中山:破壊力がやばいんです。1時間フルで稼働させたら、ソーセージが2200kgも、つまりこの調理場から溢れ出るぐらいできちゃう(笑)。それに、マシンを動かしておけば、その間に自分は他にもっとおもしろいソーセージの発信の仕方を考えていけるなと思ったんです。

——そのためのプロジェクトだったのですね。

中山:常々リサーチしていたところ、2018年暮れに、もし資金の1/3にあたる260万円を用意できれば、あとの2/3は国からの補助金が出るということがわかったんです。それで銀行に行ったのですが、あっさり断られ…。

——それで、クラウドファンディングという方法を?

中山:はい、それが2019年3月ですね。どういうプロジェクトにしたらみなさんに応援してもらえるか考えました。それで思いついたリターンの内容が、5000円でソーセージ4パック詰め合わせを送るもの。1万円でドットコミュに来てぼくらと一緒に働けるという「君もドットコミュcrewだ」券。50万円で、支援者オリジナルソーセージを作成します券。

——「君もドットコミュcrewだ」券など、リターンの内容が斬新だなと思いました。「おいしんぐ!」も微力ながら、オリジナルソーセージ作成で支援させていただいて。

中山:最初は集まるのか不安だったので、あのときは本当にありがたかったです。おかげさまでちょっとずつ増えて、目標額184%の支援が集まりました。

——184%というのは、すごい数字だと思います。もし集まらなかったらどうするつもりだったんですか?

中山:もしも…? そういえば、失敗することはいっさい考えませんでしたね。あまりにも必死だったので(笑)。

 

ソーセージをもっとおもしろがりたい


ドットコミュ提供


おいしんぐ!編集部

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——今後マシンが手に入ったら、「ドットコミュ」はどのように展開していくのでしょうか?

中山:猪とか鹿とか、定番のジビエソーセージはかなり速く作れることになるはずなので、ぼくが今、本当に作りたいと思うソーセージを作ります。ほうれん草やクロレラ、モリンガ入りのソーセージとか…とにかく、今までにないソーセージ。ぼくらが今さら普通の豚のソーセージを作っても、みんなが本当に喜んでくれるかな? という気がしますし。

——世の中に既に流通しているソーセージは、作らないんですね。

中山:そうですね。「ドットコミュ」は、さらに尖っていきたいんです。「こんな素材を使って作ってほしい」みたいな話がきたらやってみたいし、サテライト店舗でホットドックの専門店を出したいですね。そして2〜3年後、ここぞと言うタイミングでドットコミュ自体の移転を考えてます。「おいしい、たのしい、非日常」をキーワードにした新しい店舗を一から作りあげたいなと。


おいしんぐ!編集部

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——他にも展開を考えていらっしゃるとか。

中山:はい。それから、もっと「発信」もしていきたいです。いま一番やりたいのが、「月刊ソーセージ」っていう雑誌を出して、今ぼくが気になるソーセージ職人を尋ねるインタビュー記事を作ること。YouTubeチャンネルを作って、ソーセージのテレビショッピングの番組もやりたいですね。ボイルしている間に視聴者からのお便りを読んだり、ロケに行ったり…(笑)。ソーセージをもっとおもしろがりたいし、ソーセージをおもしろがるメディアを作りたいです。

——「月刊ソーセージ」、楽しみです。そして今まさに、「おいしんぐ!」のソーセージも開発してくださっているんですよね。

中山:はい! 今日はみなさんが取材にいらっしゃるので、試作も用意してみました。「おいしんぐ!」さんのリクエストは「食卓を変えたい」ということでした。鹿のソーセージを朝ごはんの定番にしたり、お弁当に入れたりと、普段のおかずにできるような味とサイズということだったので、粗挽きなしの小さめにしました。


おいしんぐ!編集部

また鹿肉は赤身が強いので、香辛料を入れることが多いんですが、今回はプレーンでお願いしたいということなので、じゃあどうするか。塩や三温糖を混ぜるバランスなどを何パターンか試しているところです。最終的には、もっと食べやすくなりますよ!

——ありがとうございます。楽しみにしています。

では、最後に…。
中山さんにとって、 「おいしい」とは何でしょうか―—?

食べ終えたあとに、気持ちも身体も漲(みなぎ)るもの。食材や料理を食べることは、それができ上がるまでにかけられた経験、手間、試行錯誤、情熱…、そういう作り手の熱量そのものをいただいて自分に取り込む、というイメージがあります。やっぱり、おいしいものって気持ちも上がるし、身体も元気になれるんですよね。


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後半では、野村俊介さんに「mon-to.9(モントナイン)」が、次に目指していることについて話をお聞きします!


写真左:中山浩彰さん 写真右:野村俊介さん

後編につづく..

※お店の情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

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