焼鳥道〜理想の焼鳥を求めて〜Vol.2

歯ごたえを生かす火入れ!「バードコート」で奥久慈軍鶏を深く知る

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歯ごたえを生かす火入れ!「バードコート」で奥久慈軍鶏を深く知る

著者撮影
焼⿃という料理に真摯に向き合う「焼鳥道」。筆者が理想の焼⿃を出会うべく、焼⿃の「鶏⾁」「タレ・塩」「⽊炭」の 3 つの要素から全国各地の焼鳥を掘り下げるコラムだ。詳しい定義やこのコラムのポリシーなどは、ぜひ前回の記事をご覧になっていただきたい。

連載第2回目は、「奥久慈軍鶏」を取り上げたい。

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「奥久慈軍鶏」の特徴…。

まず、奥久慈軍鶏とはどんな鶏なのか、「地鶏銘柄鶏ガイド」を参照してみよう。

    ※奥久慈軍鶏の血統は、父親が軍鶏、母親が名古屋種の雄とロードアイランドレッド種の雌との交雑種。茨城県北部奥久慈の自然の中で、通常の3倍から4倍の手間ひまかけて育て上げられます。その肉質は脂がのり、運動させているため肉が締まり、骨太のガラから出るコクのあるスープとあいまって、野生の鳥とみまがうほどと書かれている。飼育⽅法は平飼いで平均140日。飼料内容は専用飼料。処理地は福島県本宮市 参照:「地鶏銘柄鶏ガイド」

つまり、奥久慈軍鶏は名古屋コーチンと軍鶏の血を引く三元鶏で、通常の鶏よりも大自然の中で手間ひまかけて飼育されるため、脂も少なくしっかりとした歯応えが特徴だ。
 


著者撮影
奥久慈軍鶏の魅力を深く知るため、銀座にある焼鳥の名店「バードランド」の暖簾分け店でもある「バードコート」を訪れることにした。

「バードコート」は、2000年にオープンしたお店で、部位によって異なる筋繊維を感じ取り、選び抜かれた紀州備長炭を使い繊細な温度管理でじっくり焼き上げている焼⿃が特徴のお店。味付けは、旨みを引き出すために海水を天日干ししたミネラル豊富な塩を数種類ブレンドし使用している。


レバー著者撮影
表面がカラッと焼けているがなかはクリーミー。下処理が丁寧だから臭味もなく、弾けるほどの表面の張りとねっとりとした中身の対照的なコントラストが特徴的で、ふわりと甘い。レバーの旨味が強いのは健康な鶏の証だろう。


さび焼き著者撮影 
胸肉を使用したさび焼きはやや強めな火入れの印象。胸肉とは言え、旨味と弾力は見事。肉にクセが無く食べやすいのも魅力だ。


ソリ著者撮影 
塩味が絶妙で、皮目はカリッと香ばしく、肉はギュッとした歯応えの中に鶏の強い旨みを感じることができる。
 

「バードコート」は奥久慈軍鶏にこだわっているのはもちろん、料理法にも工夫を凝らし、歯ごたえを生かす火入れが素晴らしかった。噛みしめる度に鶏肉が躍動する、丁寧な仕事がどの串にも宿っている焼鳥である。なかでもレバーは血合いの風味があり、フルボディの赤ワインに負けない強さがあり、強く印象に残った。
 

焼鳥の魅力についてまた一歩前進。
理想の焼鳥を求める焼鳥道はつづく・・・。

※以下のお店情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

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