グルメ北海道開拓史 Vol.2

江差町に佇む大人の隠れ家「江差旅庭 群来(くき)」

北海道
紀行
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北海道グルメ
旅館

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北海道在住ならではの強みを生かし、北海道グルメのセオリーに囚われない良質なグルメ開拓し情報を発信する当コラム。
今回は江差のラグジュアリー旅館で味わう極上の創作懐石料理を紹介したい。

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ニシンも人も押し寄せる江差町のラグジュアリー旅館

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北海道文化発祥の地とも言われている江差町ですが、古くはニシンの交易により栄えたものの、今では民謡の王様「江差追分」を耳にしたことがあるくらいのマイナーな町のイメージがあるかもしれません。そんな江差町に一度は訪れるべき旅館があるのをご存知でしょうか。

函館空港から車を走らせること、およそ1時間半。カーナビが目的地近くを示すと、穏やかな港町に忽然と姿を現すコンクリートの外壁が目印で、その旅館の名は「江差旅庭 群来(くき)」。北海道出身の建築家である中山眞琴氏の設計で、船に見立てたという平屋の木造建築にはセンスがあります。倶知安町の「坐忘林」も同氏デザインと言うのも納得です。


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入口脇には、「群来」の由来を記した看板があります。群来とはニシンが産卵の為に大挙して押し寄せる意味で、昨年実に104年ぶりに江差の海がニシンの産卵で白く濁った現象が起こったそう。

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そんな活気に沸く江差町においても、この「旅庭群来」の存在感は際立っています。外から中を窺い知れないプライベート感が特徴で、迷路のようなアプローチからエントランスへ。

各室は外とは隔絶されたプライベート空間


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離れのようになっている各室は外とは隔絶されたプライベート空間です。

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客室は全7室あって、どの部屋も同じつくりで、リビング、ベッドルーム、和室、そして内湯があります。


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中庭に面した室内は開放感を兼ね備えており、ゆったりと寛げるようになっています。

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内湯は源泉かけ流しの温泉風呂となっていて、好きな時に好きなだけ温泉を楽しむことができます。

夕食は北海道ならではの食材を使った創作懐石

驚くことに、オーナーの棚田氏は旅館経営未経験で60歳の時にこのプロジェクトをスタートさせており、夫婦で営む「拓美ファーム」で育てた食材が多く料理に使われていて、食糧自給率は70%にも及美ます。朝夕食とも食事処「二十五錨」の個室でいただく料理は、オープン当初に料理の鉄人でお馴染みの中村孝明氏が監修しており、「拓美ファーム自慢」の素材が惜しみなく使われています。


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羊肉が苦手な人でも美味しく食べられるであろうサフォーク種の羊肉と新鮮野菜

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羊と並ぶハイライトの一品と感じた紅ズワイガニの浜茹で


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北海道ならではの刺身盛り合わせ

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蝦夷鮑と旬の野菜の天ぷら

さらに嬉しいのが、美味しい料理に合わせるドリンクが飲み放題となっていることです。サッポロクラシックから奥尻ワイン、男山などジャンルを問わずに北海道のお酒をたっぷり飲むことができます。また、朝食のクオリティの高さも言わずもがなで、拓美ファーム素材の良さがダイレクトに伝わる料理は、ブッフェでは決して味わえないものです。

朝食後は鴎島散策へ

朝食後は江差沖で座礁沈没した江戸幕府の軍艦「開陽丸」を眺めながら、江差町シンボルの鴎島への散策がおすすめです。外から眺める「旅庭群来」の存在感に、再び訪れたい気持ちになるでしょう。


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江戸幕府の軍艦「開陽丸」

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瓶子岩の鳥居

さて、次回はどんな北海道グルメを開拓しようか…。

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