“オリーブの島”の歴史を受け継いでいく

搾油体験から食事、買い物まで。100年の歴史を誇る観光農園「小豆島オリーブ園」

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搾油体験から食事、買い物まで。100年の歴史を誇る観光農園「小豆島オリーブ園」

おいしんぐ!編集部

小豆島の草壁港から車で約5分、池田港からは車で約8分、島の南岸を海沿いに走ったところに、毎日多くの観光客が足を運ぶ場所がある。観光農園として営む「小豆島オリーブ園」だ。園内では、樹齢100年を超える日本最古のオリーブ原木を筆頭に、オリーブの木々がそこかしこでさざめいている。


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1989年まで使われていた挽き臼と圧搾機。このように園内随所でオリーブの歴史に触れることができる。

2019年に、開業100周年を迎えた「小豆島オリーブ園」。1908年に初めて小豆島へオリーブが入ってきたのち、前身である「シマムラオリーブ園」が開園したのは1919年。小豆島が“オリーブの島”と呼ばれるようになっていったのはちょうどその頃だった。しかし “オリーブの島”とうたいながら、当時の小豆島にはオリーブの木々を実際に眺められるような観光スポットが存在しなかった。そこで、地元からの熱い要望もあり1973年に観光農園「小豆島オリーブ園」が開業したのだ。

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ゆるやかな坂を登った先に自社加工場がある。ここではオリーブオイル用の実が収穫される10月末〜12月に、2〜3日置きの頻度で搾油作業を見学できる。園内と近隣に所有する畑から収穫した小豆島産オリーブの実のみで絞るエキストラバージンオリーブオイルは、香川県ならびに小豆島が設けた高い基準を満たしたもの。これは、海外産のオリーブオイルの基準を上まわる厳しい基準としても知られる。


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スケジュールが合えば、加工作業を外から見学することができる。収穫した実は、まず水洗浄され、皮・果肉・種すべて丸ごとミキサーにかけられペースト状に。その後、遠心分離機にかけられ、質量の軽い油と、それよりも重い水分や皮・果肉・種の2つに分けられる。後者は搾りかすとしてオリーブ牛の飼料等に利用されている。


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サラダ油やごま油など、大半のオイル類は種から搾油するが、オリーブオイルは、実も種もまるごと擦り潰したものを遠心分離して油分を抽出するため、ポリフェノールやビタミンEが豊富に含まれるといわれる。10月頭に収穫されるのはまだ青い実であることから、辛み・苦み・香りが前面に出たインパクトの強いグリーン色のオリーブオイルに。一方11月に入ると実の熟成にともない、黄土色のオイルに変わり、クセが少なくより使いやすいものが生成できるという。

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タイミングが合えば、係の方から作業の詳しい説明を聞くこともできる。おすすめの食べ方を伺うと、「オリーブオイルは万能オイルなので、ホットケーキやカステラに“吸いつけ”したり、あんこ系の和菓子や、クリームを使ったケーキに付けると爽やかさも出ますよ」。


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さらに「イサム・ノグチの遊具彫刻」が園内に。20世紀を代表する世界的彫刻家イサム・ノグチは、生前、現・高松市にアトリエを構えており、小豆島産の花崗岩を作品に使うなど、小豆島に縁があった人物。独創性あふれる遊具は、子供たちにとって格好の遊び場になるはず。また、フォトジェニックなスポットとして足を運ぶ価値もありだ。

ちなみに園内の他施設である光のアートギャラリー「ARTETRA」は、『AKARI」シリーズや『フリーフォームソファ」といった彫刻以外のイサム・ノグチ作品を鑑賞できる空間。和モダンな館内で、束の間の休憩を楽しむのもいいだろう。


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「オリーブパレス RestleA」は、瀬戸内海を一望できるレストラン。料理には一年を通して自家製オリーブオイルがふんだんに使われており、天ぷらの油にもオリーブオイルを使うこだわりよう。またエキストラバージンオイルかけ放題の茹で上げパスタや、小豆島名物の素麺、ひしお丼など、小豆島の味覚を楽しめるメニューが充実。併設された体験スペース「LaboleA」では、マイオリーブオイルブレンド作り等、楽しい体験工房もできる。


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もっとも賑わいを見せるのは、園内中央に位置する「オリーブショップ」。店内には、ありとあらゆる小豆島のお土産品が並んでいる。注目の商品は、毎年1月1日に販売される、小豆島産100%のオリーブオイル「1st ORIGIN エキストラ バージンオリーブオイル 小豆島産」。秋に絞ったオイル量によってその年ごとに出荷本数が変動するが、昨年は180mlサイズが3,500本販売されたのだそう。また、樹齢100年以上の「ミッション種」から採れた実だけで作る「100年オイル せとのめぐみ 小豆島産100% エキストラ バージンオリーブオイル」は、350本限定販売の貴重な一品だ。

食品はもちろんのこと、「オリーブ園 オリーブハンドクリーム」といった同園オリジナルオリーブコスメにも心を惹かれる。
開園100周年を迎え、さらに次の100年に向け、社員ひとりひとりからアイデアを募り生まれた商品。 

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「私たちは会社の目的として、オリーブで儲けるということよりも、『先人たちが受け継いできたオリーブの森を、そのまま次の世代へ伝えていく』ことを掲げています。それを達成するために目指すのは、 “五感で感じる観光農園”。マイオリーブオイルブレンド体験や、100年オイルの商品化、自家製オイルを原料とした無添加化粧品シリーズも、100周年記念に合わせ始めたものです。そうして『小豆島オリーブ園』のこの先100年の礎を、作っています」と永井順也代表取締役社長が話してくれた。

※お店の情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。



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