著者撮影
魚介類が持つ旨味、香り、脂の乗り、食感など、 「魚味」が最大化される時期こそが旬。 さらに、食べ物で季節を感じる事が出来るのは、日本料理・和食の大きな魅力! 旬を押さえて魚介類を食べると、 美味しいだけでなく食べる喜びがアップします。
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和食で最も食材が限られてくる月が何月か、皆さまはご存知でしょうか? これは、意外にも食べ歩きをしている人でも、意識している人は少ない気がします。
端的に、和食における「最端境期」は、3月となります。なので、正直なところ、僕は3月になると、普段よりもシビアにお店を選ぶようにしております。
お値段の張る日本料理店、鮨店などは旬であろうと端境期であろうと、勿論のことながら基本的にお値段は一緒(かほぼ同額)。そうであれば、端境期を意識せずにお店を訪問するのは、無駄な出費になりかねません。
とは言え、3月に訪問すべきお店も多数あります。「旬」はピークだけでなく「走り」も楽しいものなので。
淡い味わいや香りを愛で、次に来る季節に思いを馳せるのも楽しいものです。3月は、出がけの筍や山菜などの野菜が美味しいお店が魅力的ですね。ただ、当コラムは「旬魚」がテーマ。「魚介類だと何が旬なんだ?」と思いの方、ズバリ答えると、「貝類」となります。
今回は、3月から4月が旬な「貝類」の魅力に迫ります。
貝類の魅力に迫る
著者撮影真冬が旬の赤貝や真夏が旬の鮑などは異なりますが、3月が旬の貝を挙げてみると、多様でびっくりします。
日本人みんなが大好きな浅蜊や帆立、ファンの多い牡蠣、サザエ、鮨店でおなじみの蛤、青柳(バカガイ)、海松貝(ミルクイ)、平貝(タイラギ)、北寄貝、地方色が濃く知る人ぞ知る美味しい貝であるマテガイ、ヒオウギガイ、アカニシガイなどなど。今回は改めて、貝類の魅力をお伝えします。
苦手な人と大好きな人が分かれやすい食材
貝類には苦味や特有の香りがつきものなので、苦手な人と大好きな人が分かれやすい食材でしょう。ただ、鮮度の高い貝類は旨味と甘みが強く、苦味は爽やか、香りは上品に楽しめるものです。
なかなか「主役」としてフィーチャーされることが少ないジャンルですが、3月に意識してお店を訪問すると、新たな発見があるのではないでしょうか。
しかも、貝類は料理ジャンルが豊富なところも魅力!和食以外にもイタリア料理、スペイン料理、中華料理、タイ料理と幅広く楽しめます。3月は貝類に絞って料理ジャンルを変えて楽しむことも可能です(笑)
焼き蛤 著者撮影
焼き牡蠣 著者撮影
サザエつぼ焼き 著者撮影
青柳握り 著者撮影
とり貝握り 著者撮影
※特にタウリンの豊富さは広く知られるところ。先付で貝類のスープを出すお店も多数ありますね。
貝類の料理で何が重要か?
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ちなみに、貝類の料理で何が重要か?と尋ねられると、僕は第一に「火入れ」だと考えます。貝類は高温に長時間さらすと身が凝縮して硬くなり、ジューシィさが減り、香りも失ってしまいます。
「火を通しながら生のような」火入れが理想的ではないでしょうか。それは味噌汁に始まり、焼き貝、牡蠣フライなど、料理を問わず言えるように思います。
著者撮影
漁港に行くと自分たちで焼いて食べるスタイルのお店が多く、テンションが上がりますが、くれぐれも焼き過ぎないことが大切!また、海の塩分とミネラルをまとっておりますので、調味料をつけすぎないことも美味しく食べる秘訣でしょう。
いかがでしたでしょうか…。
種類が豊富で味も強くて美味しい貝類の魅力は伝わったでしょうか? この季節の貝類をぜひ味わってみて下さい。