大地のポテンシャルを信じ、本来の力を引き出す――。

健康な大地が育てる、 最高のアスパラ。「アスパラ専門農家ジェットファーム」長谷川博紀さん

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健康な大地が育てる、 最高のアスパラ。「アスパラ専門農家ジェットファーム」長谷川博紀さん

おいしんぐ!編集部

北海道南西部にある厚沢部町(あっさぶちょう)。ここは周りを360度山に囲まれた盆地で、積雪も多く、夏は35度、冬は氷点下30度にもなるというエリアだ。農作物にとって厳しい環境、朝晩の寒暖差、そして自然が生み出した豊かな大地の力を借りながら、この地でおいしいアスパラガスを育てているのが「アスパラ専門農家ジェットファーム」の長谷川博紀さんだ。

脱サラし、アスパラを育て始めたのは11年前。当初は化学肥料や農薬を使用したアスパラ作りに取り組んでいたが、農薬により自らの体調が悪くなったことをきっかけに、大地の健康を第一に考える育て方にシフト。「やると決めたら、がむしゃらにやる」を信条に、農薬漬けでカチカチだった畑を、微生物が棲む本来の大地の姿へと戻していった。


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健康を取り戻した大地で育つおいしいアスパラが、ひとり、ふたりとシェフの間で広まっていき、いまでは多くの人気レストランのメニューに「ジェットファームのアスパラ」の文字が並んでいる。ミシュランの星付きレストランからの注文も少なくないが、どんな有名店であろうが、一般家庭のお客さんであろうが、差をつけずあくまでフラットに対応する。最近ではおいしいアスパラ料理を研究し、自身のSNSでも発信している。アスパラ作りに真摯に向き合う姿勢だけでなく、長谷川さんの魅力的なキャラクターもまた、おいしさの秘密なのではないか――そんな想像も掻き立てられる。

この春、有名店のシェフたちが口を揃えるのは「今年、ジェットファームのアスパラの味が、過去最高に素晴らしい」。その理由とおいしさの秘密を探りに、厚沢部町の長谷川さんの元を訪れた。

がむしゃらに働いて手に入れた“とんでもない”畑

おいしんぐ!編集部
――長谷川さんが厚沢部町でアスパラ農家を始めたいきさつを教えてください。

長谷川:ぼくは函館出身で、高専を卒業してから化学メーカーに就職し、6年働いていました。ある日、住んでいた寮で新聞を読んでいたら「中国の人口が12億人になった。これからは世界中で食料が足りなくなる」という記事を見つけて。「なるほどな。じゃあ俺が農家やろう」って思いました。

――1本の新聞記事を読んで、農家になろうと?

長谷川:そうです。会社も辞めちゃいました。特に当てがあるわけでもなく、根拠もなく、十分なお金もないのに(笑)。

――これから世界の食糧不足が起こるということが、動機だったのですね。

長谷川:中国の人口が増えているのに、日本においては農家が減っている。自給率はどんどん下がっている。これはヤバい。だったら本気でやったるわ!っていう感じでした。

――農家の中でも、アスパラを選んだ理由は?

長谷川:斡旋されたのがたまたまアスパラ畑だったからです。すでに半分に植えられていて、すぐ収穫できる状態で畑を買ったんです。

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――偶然、アスパラの畑だったというわけですね。

長谷川:最初は、芋農家をやろうと思ったんです。芋の名産地ということで、ぼくの地元から車で1時間ぐらいの厚沢部町に行って、そこで研修をしていたんです。「とにかく、がむしゃらにやる」のがぼくのポリシーなので、与えられた仕事を全力でやっていました。気持ちだけは120%でしたね。

――とにかく、がむしゃらに。

長谷川:例えば、カボチャ拾い……つまり収穫したカボチャをトラクターに積み込む仕事があるんですが、これは農業界で一番の重労働だと思うんですよ。地面に置いてある1個2~3キロのカボチャを、道具を使って3~4つ、胸の高さまで持ち上げるんです。実質10~12キロです。これを1ヶ月、週休ゼロで1日も休まず、朝から晩まで毎日やりました。たかが10~12キロですけど、これだけやったら身体がバラバラになる。

――かなり辛いお仕事です。

長谷川:辛かったです。でも、そのうちに近所の農家さんの間で「あそこに研修に来ている若い子、元気あるらしいぞ」と話が広まったみたいで。「ちょうど引退したいと言っているアスパラ農家さんの畑があるから、あの子に斡旋してみるか」ということで、紹介をいただいたんです。でも、実はその畑がとんでもない畑でした。

――とんでもない畑?

長谷川:かなり条件のいい土地だったんです。倉庫や機械、ビニールハウスもついている居抜きの状態で、アスパラがすでに植えられているから、1年目から収入もあるということで。誰に聞いても「いい土地だ」というので、最初は騙されていると思いました。よそ者のぼくにそんないい話が転がり込んでくるわけないって(笑)。当時はわかりませんでしたが、いま思うととてつもなくいい買い物でしたね。考えられないほどいい土地だったんです。

 

農薬で死にかけていた土を、元の状態に戻す

――いい土地というのは、具体的には土や水の状態がよかった、ということでしょうか?

長谷川:そうですね。土については、まず地球の循環というものがありますよね。雨が降ると大地が潤う。雨水の落ちた大地の養分が水に溶け、地下にしみて川になったり、湧き水になったりする。その水が農業で使われ、動物や人間の体内に入って排泄物になって、大地に返る。それが水に溶けて、蒸発して、雲になって、雨が降るっていう循環があって。

うまく言えないんですけど、そういった地球の循環が崩れていない、畑と山との関係性が分断されていない畑なんです。針葉樹がほとんどなく広葉樹ばかりで、ここは広葉樹の腐葉土の養分が流れ着いている畑なんですよ。ただし化学肥料と農薬の使いすぎでポテンシャルがつぶされていたんです。

――なるほど。

長谷川:水については、最初は川の水を使っていたんですが、田んぼの代掻きになると上流から泥水や除草剤が流れてきたりするので、いまは水道水を使っています。法律で定められた最低濃度のカルキは入っているのですが、ダムの水ではなく厚沢部町の湧き水100%です。人間がおいしく飲める水をアスパラにも与えているという感じですね。

――土について、もう少し詳しく教えてください。もともと栄養分をたっぷり含んでいるいい土だったということですか?

長谷川:基本的には土にとっていい条件がそろっていましたが、化学肥料や農薬がたくさん使われていたので、土が疲れていました。コンクリートみたいにカチカチだったんですよ。当時のぼくはそんなことはわかりませんでしたが、いま思えばポテンシャルを持った土地でしたね。

――カチカチだったその土を、長谷川さんが変えていったのでしょうか?

長谷川:変えたというよりは、元の姿に戻した、戻ったということだと思います。ぼくの想像にすぎないんだけど、いまの状態が土の本来の姿に近い状態で、あの頃のカチカチな状態はちょっと人工的・化学的なアプローチが強すぎて、土が息をしていない状態、死にかけている状態だったんだと。そこから人間の関与を引いて、大地の力で育てる手助けをしたかたちです。

――どのように手助けしていったのですか?

長谷川:畑を受け継いでから今年で11年目なのですが、買った時点で薬漬けの状態でしたし、ぼくも1年と半シーズンほどは同じように農薬を撒いていました。いまじゃ考えられないけど、除草剤で草を殺して、アスパラの木には化学殺虫剤を撒いて、けっこうフルコースで。でも、薬をかけると自分も調子悪くなるので、単純に薬かけをやりたくないなと思ったのが、最初の動機ですね。農薬が無くても自らの力で育つ環境に戻していきました。

――農薬で、ご自身の体調も悪くなってしまった?

長谷川:そうです。お客様に安心・安全をという崇高な理念じゃなくて、単純に薬がけ作業をやりたくなかった。それで、原理原則を無視していきなり農薬をバッサリやめました。本当は、健康になってから薬をやめるべきだったんですけど。それでアスパラが全部枯れました。ひどい目に遭いましたね、あのときは。

 

やるって決めたら、やるしかない

おいしんぐ!編集部

――土を健康に戻すには、かなり時間がかかるのでは?

長谷川:戻すのに時間がかかるけれど経済的ダメージが少ない方法と、早く回復はするんだけどアスパラが全然取れなくなるほどダメージがでかい方法と、二つあるんです。ぼくはちょうどそのタイミングで、隣町のカボチャ農家の明井清治さんに出会いまして。明井さんに指導を受けて、大手術だけど回復の早い方を選びました。彼はぼくの大先生であり師匠です。あのとき出会っていなかったら、いま何をしていたんだろうって感じです。

――具体的にはどのように回復させたのですか?

長谷川:まず、化学肥料を一切やめました。環境を戻すところから始めました。土の中に棲んでいるのは植物だけじゃないんですよ。土の中は微生物が支配していて、体積で比較した場合、地球上にいるすべての人間よりも、微生物のほうがはるかに多いんです。

土の中が安定してくると、自ずと植物も健康になって、薬も要らなくなってくるんです。地面がコンクリートのようにカチカチだったのが、どこを掘ってもミミズが出てくるような土に戻りました

――変わるまでにどのぐらい時間がかかったんですか?

長谷川:5年ぐらいでかなり変わりましたね。手応えが出始めたのは3年ぐらい経ったあたりです。学芸大学「リ・カーリカ」の堤(亮輔)さんや自由が丘「mondo(モンド)」の宮木(康彦)さんとの出会いがあって、そのお二人からだんだんシェフのみなさんに広まって、使ってもらえるようになったんです。

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――一時はアスパラが全滅し、土が元の状態に戻るまでに3年間かかったとのことですが、途中で心が折れることなく続けられた理由は何だったのでしょう?

長谷川:折れるっていう感覚、ぼくの辞書にはないです(笑)。ぼく、猪年生まれなんですよ。やるって決めたらやるしかない性格なんで。師匠の明井さんと出会って、本当に親身に教えていただいたので、適当なことをする気はなかったですね。こっちも全力でやるぞという感じでした。

――まさに猪突猛進ですね。長谷川さんのお話しから「やり続けること」の大切さを感じます。「修業年数が長ければいいという時代ではなくなった」という人たちもいるようですが、これについてはどう思われますか?

長谷川:働き方改革と、職人としての腕を磨くことが、同じテーブルで語られがちですよね。労働環境と、職人として技術を身につけることは、たぶん両立できないと思うんですよ。だってぼくが思う「力をつけた人」っていうのは、寝る間を惜しんで働いた人ですから。

レストランの下っ端をやりながら遅くまで働いて、翌朝は早起きして魚市場に行き、魚をおろす訓練をして……。シェフや寿司屋でも、魚をおろすことは魚屋に敵わないわけだから、魚屋に行って訓練するしかないからって。いま一線で活躍する方々でも、下っ端時代はそうやっていたらしいじゃないですか。働き方改革については経営者が考えればいいことであって、やっぱり最初のうちは、やるしかないと思いますけどね。

 

最強のコンディションで育った、2022年のアスパラ

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――先ほど堤さんや宮木さんのお名前が出ましたが、長谷川さんのアスパラは、錚々たるレストランのシェフたちに使われています。

長谷川:いえ、ぼくは狭い範囲で地味にやっている感覚ですよ。例えば東京に8万軒というお店があるうちの、お付き合いがあるのはたった120軒ほどですから。

――ミシュランのお店も多いですよね。

長谷川:そうですね。でもこれはぼくではなく、お店のクオリティが高いということだと思っています。

――いまの時期、いろんなレストランでジェットファームのアスパラを使った料理が出てきます。そしてシェフたちが口々に「今年のアスパラが過去最高に素晴らしい」との声を上げています。長谷川さんから見て、今年の出来はどうでしょうか?

長谷川:大地のポテンシャルというのは決まっていて、基本的にはその範囲内でしか農作物は育たないんです。だからこそ、本来のポテンシャルにいかに戻してやるかというのが、職人としての腕の見せ所なんですけど。ぼくの畑も100%とは言わないけど、年々けっこう戻ってきているんですね。

その取り組みが実を結んできて、ベースがちょっとずつ上がってきました。それに掛け算するかたちで、前の年の天気が影響するんですよ。前の年に天気がよければ光合成がたくさんできるので、翌年のアスパラが量質ともに上がるんです。今年はその掛け算の結果が過去最高だったということです。

――天気がいいとは、どのような状態のことなのですか?

長谷川:日照時間と気温等が関係しています。まず、日照がないと光合成できないから育たない。ただし日照があっても、気温が上がりすぎると、アスパラのてっぺんのところ(成長点)のタンパク質が壊れ始めるんです。光合成で一生懸命作った糖分をその修理に使おうとして、せっかくの光合成が無駄になってしまうんです。ビニールハウスは病気を防げる代わりに高温障害になりやすいという欠点もあるんですよ。

でも昨年に限っては、日照量がいっぱいあって、気温はそこそこ涼しいというすごくいい条件で。病気もつかなかったし、最強のコンディションでしたね。ここ数年でベースの状態が上がってきている中だったので、掛け算でどーんと品質が上がりました。昨年の秋の時点で九分九厘確定していたんですよ。

――前年の段階でわかるとは面白いですね。冬は雪深くなりそうですが、雪の影響などはありますか?

長谷川:雪はだいたい1m、多い時だと2mぐらい積もりますね。雪はあったほうが保湿できるので有利です。地面を乾燥させることなく、一定の温度に保てるので、微生物が増えやすいんですよ。

 

「大切に使います」という言葉が何より嬉しい

おいしんぐ!編集部

――長谷川さんは、みずからインスタグラムでアスパラのレシピをアップしたり、お客さんの投稿をシェアしたりと、積極的にSNS発信をされています。

長谷川:一般家庭のお客様に向けてやっています。今日もインスタに、夕食に作ったアスパラサラダを上げました。ただ茹でたアスパラと買ってきた野菜を混ぜてドレッシングをかけるだけだと、ドレッシングの味に支配されちゃうし、芸がないじゃないですか。だからもう少しアスパラ感があるサラダができないかなって日頃から考えていて。

今日作ってみたのは、ベビーリーフとゆで卵とローストポークとアスパラのサラダです。ポイントは、ローストポークの脂分に対してベビーリーフのボリュームが多いので、アスパラを揚げアスパラにしたことです。塩は振りかけるんじゃなくて、油にからめました。こうするとアスパラ汁がにじんできた緑色の油になって、その旨味をまとわせてから高温の油で25秒揚げています。

こういうおいしさを一般家庭のお客様に知っていただけたら、「ああ、おいしそう」「長谷パラ食べたいな」っていう気持ちになってくれる人もいると思うんですよ。

――料理をする楽しさまで想像させてくれますね。

長谷川:ぼくはあくまでも料理の素人なので。シェフたちのように、温度や火入れのタイミングとか、他の食材との組み合わせとか、酸と糖のバランスとか、そういう高度な話はわかりません。ぼくは素人の中の、あくまでも家庭料理の料理上手さんを目指したいなと思っています。

――飛行機で函館空港から車で1時間ほどのジェットファームへ、全国からシェフたちが訪れています。彼らは現地で長谷川さんと話すことで、何かしらのインスピレーションを得ているのだと想像します。こんな農家さんはそういないと思うのですが、長谷川さんはいつもシェフたちに、料理について熱心に質問しておられますよね。

長谷川:聞きますね。だって、こんなにいいチャンスないじゃないですか(笑)。

写真提供:あらいあん

――一方で、シェフたちだけでなく一般のご家庭への配送もされていますね。

長谷川:よく意外だと言われるんですけど、出荷の半分は一般家庭に送っています。コロナ禍でレストランが動かなくなり、けっこう危なかったこともあって、半々ぐらいの状態が望ましいのかなと思っています。

――売上も含め、シェフたちと一般家庭を等しくお付き合いされているんですね。長谷川さんがシェアしているインスタのストーリーを見ていてもそれがよくわかります。長谷川さんのアスパラを使った一般家庭の方の料理が出てきた次に、有名店のシェフの料理が出てきたりと、フラットに考えていらっしゃいますよね。

長谷川:実は、それはすごく意識しています。人間って権威になびいてしまいがちですけれど、有名なシェフと一般家庭の人の間に差はないはずなので。アスパラの注文を受けるときも同じです。三ツ星シェフからきても、一般家庭からきても、差をつけず同じように対応させてもらっています。

――長谷川さんのアスパラを、今後どんな人に食べてほしいですか?

長谷川:大切に育てているので、大切に使ってもらえたら嬉しいですね。シェフのみなさんとも、メッセージのやりとりをしていると「大切に使います」って言ってくださって。それはすごく嬉しいですし、これからも大切に育てようという気持ちの維持につながる気がしますね。

――来年は今年を超えるアスパラを作るおつもりですか?

長谷川:いや、実はそうでもなくて。工業の世界では、昨年より今年、今年より来年って上を目指すんだろうけど、ぼくらとしては、たとえ結果が向上したとしても「目指した」わけではないんです。元の状態に戻れば、そこでずっと安定でいいという考え方なんです。農業界における安定って、工業界では停滞と言われたりするわけなんですけど。そこは考え方が違っているんですよね。


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――長谷川さんとお話ししていると、このお仕事がお好きだということがよく伝わってきます。

長谷川:農業が好きですね。大地に根ざして働けるし、春夏に一生懸命働いて、秋冬は休めるので。子ども達もスキーが好きなので、冬になって家族でスキーにいけるのは、いい仕事ですよね。

きれいごとを言っても、農業って結局は経済活動なんです。ぼくも家族にご飯を食べさせなきゃいけないし、子供のランドセルを買わなきゃいけないし、冬になったらスキーもいきたいし、アイフォンだってほしい。文化的な暮らしをする以上、経済性も必要であるから。だけど極端な話、遺伝子組み換えや薬漬けにしたアスパラを収穫して、お客さんからお金をもらうのもちょっと違うかなとも思うんです。

じゃあ、どこで線を引くのか。ここまでであれば、お客様に価値をお届けして正当な対価を頂戴して、持続できるんじゃないかなというところで、いまのやり方に落ち着いている感じです。

それでは、最後に、
長谷川さんにとって「おいしい」何ですか?

おいしんぐ!編集部

長谷川:言葉の通りで、おいしいっていうのは楽しい食事の時間のピースのひとつだと思っています。おいしいがあることによって、食事の時間は楽しくなるわけですから。

企画・インタビュー/金沢大基 文/古俣千尋

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