ときめきのポテサラ Vol.1

僕らは何故、ポテトサラダに魅了されるのか?…

東京
この逸品
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ポテトサラダ

著者撮影 
わたくしは右足にマーケティング、左足に野菜ソムリエの2足の草鞋を履いている。思い起こせば、ポテサラにはまったのは必然だった気がする。大学時代は某大学の農学部に在籍しており、「芋堀りは人の心を癒すか」というテーマでジャガイモの研究に没頭していたのだ。なので、一番好きな野菜はジャガイモなのである。メークインよりも男爵派。最近のお気に入りは「熟成きたあかり」だ。

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ここ数年のポテサラブームに合わせて、ポテサラのクラスタリングによる店舗の差別化&顧客のターゲティングという新論を確立すべく、ポテサラのマーケティングを行っている。ポテサラを提供しているお店ならジャンルは問わず、居酒屋、洋食屋、バルなどを食べ歩いている。その数は、1年間で120軒ほどだ。日々食べ歩くほどに、その幅広さにはまり(もはや沼ですね)、ついには自宅でジャガイモの茹で方から、メーカー別マヨネーズの相性。新規の具材組み合わせまで考察するに至る。

恥ずかしながら、そんな私のポテサラ研究結果をもとに、ポテサラの奥深い魅力をお送りしたいと思う。

サラダ界のアイドル、それが「ポテサラ」

著者撮影

ポテサラはなかなか正体を見せてくれない不思議な料理だ。すっぴんのポテサラはジャガイモとマヨネーズという極めてシンプル。むしろ「地味」と言っても良いと思う。それでも「ポテトサラダが好きな人」と聞かれて「嫌い」と答える人はそうそういないだろう。カレーと同じぐらい「嫌い」な日本人が少ない料理だと思う。通称ポテサラは老若男女に愛される、サラダ界のアイドルなのだ。寿司やカレーを差し置いて「1番好き!」を勝ち取る派手なパフォーマンスはできないけれど、実は毎回レギュラー入りしている陰の実力者だと思う。
 

すっぴんのポテサラは地味だが魅力的

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シェフというプロデューサーの采配が加わることで、具という名の衣装、味付けという演技を華麗に組み合わせ、毎回異なる姿で僕らの目の前に現れる。そして「ポテサラ」という料理の概念を惑わせる。僕らは何の疑念もなく目の前のそれを「ポテサラ」として受け止めてしまう。

これもポテサラだから面白い

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ポテサラに対して人それぞれ違う姿を思い描く。まるでどこかの神様みたいだ。そんなもんだから、好きなポテサラについて語り合えば、議論百出。みんながみんな「ボクの考えた最強のポテサラ論」の1つや2つを語りだす。やれ、「ジャガイモはしっかりマッシュした方が良い!」だの「りんごなんて邪道」だの、「タラコマヨネーズこそ至高」などなど。

賛否両論あるけど、これもポテサラ

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こうやって誰でも語り合える懐の深さもポテサラの魅力だ。片や、そんな議論どこ吹く風で、ポテサラはどんどん進化を続けている。
プロデューサーたるシェフの意思を存分に受け止め、その演技力を広げ、燻製の香りをまとってみたり、謎の物体X(とても美味しい)を頭にのせてみたり。

ポテサラの進化は止まらない

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僕らは進化を続けるポテサラを前に、ますます惑ってしまう。もう、「美味しいポテサラ」なんて議論は不要なのかもしれない。このコラムで、一番美味しいポテトサラダを紹介するぞ!と意気込んでみたものの、結局一番は決められず。ポテサラ愛を語るのみ。

メニューブックに書かれた名前は「ポテトサラダ」。テーブルの上で出会う、初めまして、こんばんは!の瞬間がたまらなく楽しい。今宵の彼女はどんな姿を見せてくれるのだろうとときめかずにはいられない。やっぱりポテサラは僕らのアイドルだ。

※ジャガイモもサラダもフランス語においては「女性名詞」の扱いになっているので、「彼女」という表現はあながち間違いではないはず。

扉の向こうに今日もポテサラ

著者撮影

Vol.2 に続く。

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