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魚介類が持つ旨味、香り、脂の乗り、食感など、 「魚味」が最大化される時期こそが旬。 さらに、食べ物で季節を感じる事が出来るのは、日本料理・和食の大きな魅力! 旬を押さえて魚介類を食べると、 美味しいだけでなく食べる喜びがアップします。
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今回は、9月下旬~11月くらいまでが旬な「モクズガニ」の魅力に迫ります。
モクズガニの魅力に迫る!
モクズガニ著者撮影
皆さんは「モクズガニ」をご存知でしょうか?恐らく初耳の方が多いのではないかと思いますが、「上海蟹」ならば知らない人はいないでしょう。モクズガニは「和製上海蟹」と言うべき、上海蟹の同属異種となります。主に川で獲られ、鋏脚にモジャモジャの毛が生えているところが特徴です。今回は改めて、モクズガニの魅力をお伝えします。
濃厚な味わいのカニミソは絶品
上海蟹と同じく可食部は少ないですが、濃厚な味わいのカニミソは絶品。少し食べにくいものの、苦労を上回る味わいがあります。モクズガニを茹でると強い旨味が出るため、潮汁や炊き込みご飯で頂いても美味しいです。
ただ、日本全国に分布していながら、食されるお店が意外に少ない点がネック…。上海蟹に比べて破格と言って良いほどに安いので、見つけたら是非とも試されてみてください。
秋から冬にかけて産卵のために海に下るため、旬は9月下旬~11月くらいまでとなります。これは上海蟹の旬とほぼ同じで、中国では「九雌十雄」と言われます。意味は、10月の雌、11月の雄が最高であると言う意味となります (※上記熟語の漢数字は旧暦となります)。
理由は、雌は10月に卵をたくさん抱いており、雄は11月に白子がみっちり詰まっている為です。日本でも果たして同じか…探求すると面白いですね。
主な食べ方:茹でor 蒸し、潮汁(もしくは潰して調理するツガニ汁)、炊き込みご飯、煮もの、点心など。
ビタミン類、タンパク質、ミネラル(銅、亜鉛など)、タウリン、アスタキサンチン
美味しいものとそうでないものの違い
美味しいカニを見分けるポイントはシンプルで、1に鮮度、2に重量となります。なかなか触らせてくれるお店は少ないかもしれませんが、活きているもので重そうなもの(※必ずしも「大きいもの」ではありません)を選ぶと良いです。また、身の味は雄、内子を求めるならば雌なので、性別も見極めると良いかも!?
堂々たる風貌のモクズガニ 著者撮影
悲しきかな、茹でられた後です(笑)
モクズガニの味噌汁著者撮影
圧倒的な旨味で、舌が触れた瞬間に驚きました。
モクズガニの炊き込みご飯著者撮影
身は少ないけれど、旨味は圧巻です。
上記料理のお店:飴源(唐津) 著者撮影
八戸の朝市で見つけたモクズガニ 著者撮影
激安で笑っちゃいました。
八戸著者撮影
風情があります。
八戸で入手したモクズガニ 著者撮影
東京に持ち帰っても元気一杯でした。・ 八戸で入手したモクズガニを用いて弁当 著者撮影
アグレッシヴに弁当にしました(笑)
モクズガニが美味しいと評判のお店 著者撮影
鮎料理で全国に名を馳せる美加登家(島根)もモクズガニを提供されております。
いかがでしたでしょうか…。
古来より重宝されてきましたモクズガニの魅力は伝わったでしょうか? この季節のモクズガニをぜひ味わってみて下さい。