あっと驚く村上の鮭料理の世界!新潟・新多久の「鮭づくしコース」
著者撮影
JR村上駅より徒歩で約20分の場所にある懐石料理店「割烹 新多久」。創業は幕末にまで遡り、慶応3年(1867)の創業。カウンター6席、テーブル18席に加えて個室もあり、様々なニーズに応えてくれる。
鮭文化が根付く村上の老舗懐石料理店
著者撮影
江戸時代は村上藩の貴重な財源であった鮭。現在も三面川(みおもてがわ)では鮭漁が行われており、同時に様々な鮭料理が継承されている。「捨てるところが無い」とは正に文字通りで、新多久さんの「鮭づくしコース」では、鮭を余すところなくいただける。
※旬は11月で12月は名残となる。
お店の外観は重厚だが、店内は洋館のようでモダン。席と席の間隔は広く、寛いでいただくことができる。コースは2時間ほどとなるが、随所に驚きがあるので、あっという間に幸せな時間が過ぎる。
前半から圧倒される鮭のみで構成される八寸
著者撮影
著者撮影
著者撮影
「鮭づくし」の凄さを瞬時に感じさせてくれるのが、2品目の「八寸」だ。内容は、はらこ味噌漬、焼漬、鮭のすっぽん煮、鮭の白子、酒びたし、ほっぺた味噌、めふんと、一般的に馴染みのない単語も混じっているが、全てに鮭を使用している。
「はらこ」は「いくら」、「すっぽん」は頭、「めふん」は背わた(腎臓)を指す。一見すると珍味が目白押しでお酒のアテのようだが、塩分が上品に使用されているので、お酒を飲まない人でも間違いなく楽しめる。「酒びたし」は1年熟成させた塩引鮭を薄くスライスしたもの。薄いのに旨味が強く、鮭の力を痛感することだろう。
著者撮影
他に「飯寿司」も村上を代表する鮭の郷土料理の一つ。鮭とご飯、野菜、麹を混ぜて漬け込み、乳酸発酵させた古い鮓だ。クセが全く無く、発酵の魅力を伝えてくれる。
著者撮影
さらに、どうしても伝えなければならないのが、シメの「御食事」だ。
著者撮影
著者撮影
新潟のコシヒカリ三大生産地である岩船産の新米の炊きたてご飯。そこに、はらこの醤油漬けと焼き鮭をセットでいただく。
日本人ならば誰もがうっとりしてしまう、魅力的なご飯だろう。
日本食の魅力をしみじみ感じさせる、村上の名店の一つだ。
※以下のお店情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。
INFORMATION
名称 | 割烹 新多久 |
---|---|
住所 | 新潟県村上市小町3-38 |
アクセス | JR村上駅より徒歩約20分 |
電話番号 | 0254-53-2107 |
営業時間 | 11:30~13:30、17:00~20:00 |
定休日 | 水曜日 |
URL | http://sintaku.sakura.ne.jp/ |
地図 | Googleマップで確認する |
備考 | ※鮭懐石は10月~12月中旬ころまで |