ディープで心あたたまる鶴岡の夜を…

鶴岡の人情あふれる粋な女将! 幸子のお茶漬け・菅原幸子さん

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おいしんぐ!編集部

よぐきてけだのー(よく来てくれたね)」。一歩足を踏み入れると、そんな鶴岡弁が聞こえてくる人情味あふれる料理屋がある。鶴岡の郷土料理と特製のお茶漬けが楽しめる一軒『幸子のお茶漬け』だ。地元でとれた山菜の天ぷらや焼き魚などの一品料理は滋味溢れる、ザ・おふくろの味。それでいてお酒がぐんぐんすすんでしまう懐の深さが魅力。もちろんお酒の〆は特製のお茶漬けで。そんなディープで心あたたまる鶴岡の夜がここにはある。

39年前のオープン以来、一人でこの店を切り盛りしているのが女将の菅原幸子さん。独特のイントネーションが魅力の鶴岡弁、小柄ながらもパワフルな人柄、そして絶えることのない笑顔…。常連客をはじめ幸子さんのファンは全国津々浦々。そんな粋な女将・幸子さんに会いに「幸子のお茶漬け」を訪ねた。

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内観 おいしんぐ!編集部

カウンター8席に、座敷10席の店内。どこか懐かしいような雰囲気を感じる店内。


外観 おいしんぐ!編集部

内観 おいしんぐ!編集部
のれんにある「幸子のお茶漬け」の文字に誘われて来店する人も。

 

創業39年! 粋な女将の料理屋

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お店に立つときは必ず着物を着る幸子さん。着物を来てお化粧をすることで仕事モードに。

——なぜお茶漬けを名物にした料理屋をはじめたのですか?

菅原:自分の店を持つことになったときに、居酒屋とかスナックもいいかなと思ったのですが、他にないものを出そうと思ってお茶漬けを名物にした料理屋にしようと決めました。

——お茶漬け以外にも、鶴岡の郷土料理などの一品料理やお酒もメニューにならんでいますね。

菅原:私は山形県朝日村(現・鶴岡市)の出身なので、お店をやるなら鶴岡の郷土料理を中心とした一品料理を出したいと思っていました。オープン当初はそこまでメニューも多くなかったのですが、常連さんからリクエストがあったり、自分で料理を勉強していく中で、今のような料理を出すようになりました。キープしている焼酎のボドルを空けながら一品料理を食べて、最後にお茶漬けで〆る常連さんが多いですね。

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料理メニューの上には幸子さんからの日替わりメッセージが。心温まるメッセージを楽しみにしている常連さんもいるそう。

——店名「幸子のお茶漬け」ですが、とてもわかりやすく、それでいてユニークです。

菅原:普通に考えると「お茶漬け 幸子」と名付けると思うのですが、「幸子のお茶漬け」の方が“私がつくる料理を出す店”という意味が込められると思いそう名付けました。でも結果的に、この店名にしてよかったです。お店の前を通った人が興味をもって入ってきてくれたり、飲んだあとに「よってみっか〜」ってなるので。若い人も「お茶漬け食べたくて入ってきました」って来てくれますよ。

 

隠し味は「愛情」! ホッとする“幸子のお茶漬け”

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お茶漬け:具材がたっぷり載った特製のお茶漬け。

——お店の名物であるお茶漬けは、お酒の〆にぴったりですね。

菅原:はい。ほかのお店で飲んできた人も、ふらりと立ち寄ってくれることが多いです。


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——具材は何種類あるのでしょうか?

菅原:鮭とたらこ、昆布、梅干しの4種類です。具材はなしでワサビだけ載せたワサビ茶漬けを注文する方もいらっしゃいます。あとは、具材のミックスを注文される方もいますね。最初、常連さんにミックスをお願いされたときに「内緒だよ〜」なんて言いながら2種類の具材を載せていたのですが、今では普通にお出ししています(笑)。意外に、鮭と梅干しも合いますよ。

——お米は地元産のお米でしょうか?

菅原:お米は鶴岡産のコシヒカリを使っています。つや姫や最近出てきたユキワカマルも試してみたのですが、やっぱりお茶漬けにはコシヒカリが合うかなと思って。

一番人気は鮭です。鮭は一度焼いてからこまかくほぐしてフレーク状にしたものを使っています。たらこも同じように、一度焼いてからほぐしています。

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お茶漬けに使用するのは生ワサビ。注文が入るごとに鮫皮おろしでおろす。時期によって静岡産、長野産などのワサビを使っている。


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——フレーク状になっていることでサラサラと入ってきて食べやすいですね!その他こだわりはありますか?

菅原:お米の上に具材とワサビを載せたら、煎茶と自家製のタレを50:50の割合でかけます。自家製のタレの作り方は内緒。隠し味に「愛情」を注いでいますよ(笑)。

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昔から変わらない“人と人との繋がり”に心満たされる

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——40年近くお店を営んでいるなかで何か変わったことはありますか?

菅原:5年くらい前から若いお客さんが増えています。それまでは私と同年代の常連さんがほとんどだったのですが、やっぱり今ってネット社会でしょ。「ネットで見たよ〜」って、全国から若い人が来てくれます。嬉しいですよ〜。

この前は東京からわざわざ電話をくれて「山菜料理が美味しいというコメントをネットで見たのですが、今の時期は食べられますか?」って。正直、山菜の時期ではなかったのですが、干していた山菜や少し早くからではじめる山菜を使った料理を用意できると伝えたら、本当に東京から来てくれたんです。その方たちは、それからもう3回も通ってくれています。

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——ネット社会だからこそ、幸子さんとのおしゃべりを楽しみに訪れる人も多い気がします。誰でも受け入れてくれるような包容力を感じますし、幸子さんから元気をもらうお客さんが多いでしょうね。

菅原:え〜嬉しい。誰であってもお店に来てくれるだけで嬉しいですよ。お客さんには「会話が楽しい」と言われるけど、私なんて方言でしゃべっているから「わがんね〜」ってならないのかなっていつも思います(笑)。でも、年配の常連さんと若い人たちが一緒に会話していることも多くて、みなさん一緒に楽しんでくれています。

 

では、最後に…。
幸子さんにとって、 「おいしい」とは何でしょうか―—?

おいしんぐ!編集部

菅原:「まだくっからの〜(また来るからね)」って言われるのが何よりも嬉しくて、最高の言葉。そういう言葉に「おいしい」って気持ちがこもっていると思っています。

 




※お店の情報は記事投稿日時点のものです。訪れる際には予め営業日時をお店にご確認ください。

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